大人気アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の【第1期】【第10話】である
#10「シャイ煮はじめました」
…の私なりの「考察」をまとめてみました。
内容を知らない方のために
「あらすじ」「ネタバレ」「感想」
も合わせて記載しています。
アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」【1期10話】のあらすじ
いよいよ夏休みが始まった!夏休みといえば…「ラブライブ!」。
ダイヤは予選大会を突破するために、夏休みを使って特訓を提案する。
しかし、千歌は夏休みには海の家を手伝いをしなければならない。
そこで特訓と手伝いの両立をさせるため、昼間は全員で海の家を手伝い、それ以外の時間で特訓をすることにした。
いざ手伝いを始めるも、となりの海の家の豪華さにお客を取られてしまい、こちらの海の家は閑古鳥が鳴く始末。
「ラブライブ!」決勝を目指す私たちが、あんなチャラチャラした店に負けられない!と、お客を呼ぼうと奮闘するAqoursメンバー。
そんな中、梨子はピアノコンクール出場期限が迫っている知らせを受け、ひとり胸の中で悩みを抱えていたーー。
アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」【1期10話】のネタバレ
ここより下記はすべてネタバレ的な項目となるので、目を通す際にはご注意下さい。
梨子は曲作りのため、携帯で千歌に歌詞を催促するがなかなかできあがらないでいた。
そんな中、梨子の下に東京で開かれるピアノコンクールの出場登録機嫌が迫っているメールが届く。
夏休み初日。
Aqoursメンバーを集めて「夏休みといえば!?」と質問する鞠莉とダイヤ。
千歌は海、曜はパパが帰ってくると言い、花丸はおばあちゃんの実家に行き、善子に至っては「夏コミ!」。
ダイヤはスクールアイドルとしての意識が低いと説教をする。
ルビィに聞くと「ラブライブ!」と答える。
ダイヤは今までにないほどルビィを褒めちぎり、ラブライブ!に向けて独自のルートで手に入れたというμ’sの特訓メニューを提示する。
遠泳10km、ランニング15kmという余りにもハードなメニューにドン引きするメンバー。
ダイヤはこれまで我慢していた分、かなり弾けているようだった。
千歌、曜、果南は自治会で海の家の手伝いをしなければならないことを思い出し、そのままではできないことを訴える。
そこで、海の家の手伝いを全員でして、それ以外の涼しい時間に特訓をすることになった。
翌朝4時に海の家に集合するように指示を出すダイヤ。
そんな中、梨子は1人ピアノコンクールのことを思い出していると、千歌にどうかしたのか尋ねられる。
梨子は自室のピアノの譜面台に置かれた「海に還るもの」と名付けた曲の譜面を見て、まだ迷っているようだった。
翌朝、海に出ると早速遊び始めるAqoursメンバー。
朝4時に来たのは花丸だけだったのだ。
とりあえず海の家を手伝おうとするが、肝心の海の家はボロボロで客は1人もいない。
それに比べて隣にはオシャレな海の家。
負けていられないと奮起する鞠莉とダイヤ。
広告担当に千歌、梨子、果南を、料理担当に曜、善子、鞠莉を抜擢するもお客は集まらない。
結局同級生に声をかけて来てもらうのだった。
手伝い終了後、特訓を始めるが、果南以外は誰もついていけていない。
鞠莉に至ってはビーチチェアで優雅に横になっている。
慣れない体幹トレーニングでは、千歌からドミノだおしを起こしてしまう様子を見て、楽しそうに梨子は微笑んだ。
真水を浴びて砂を落とすメンバーはμ’sの凄さを実感するとともに、空腹に襲われる。
美渡姉から自分たちで食材を片付けるように言われているので、ほぼ完売のヨキソバを除き、売れ残った鞠莉のシャイ煮、善子の堕天使の涙を食べることになる。
シャイ煮は美味しいが値段が高過ぎ、堕天使の涙は激辛でルビィが犠牲になった。
2年生は曲作りの話になるが、歌詞のイメージもあるため、なかなか進まないでいた。
浜辺に出た梨子はピアノコンクールのメールを削除した。
家に戻った千歌は、梨子の母親と志満姉が、梨子がピアノコンクールをどうするのか話していたのを聞いてしまう。
みんなが寝静まってから梨子を起こしてピアノコンクールの話をする千歌。
梨子は、最初は戸惑ったが、合宿が始まったら学校が、スクールアイドルが、Aqoursが、千歌が大切なことを感じ、だからラブライブ!に出ることを約束する。
今の居場所はここなんだ、1番の曲を作って予選を突破するのが目標という。
千歌はそんな梨子を見て、浮かない顔を浮かべる。
翌日、梨子と梨子の部屋でダンスの打ち合わせをするという果南についていく千歌。
そこで歌詞のテーマに「大切なもの」を選んだことを話すと、梨子は机の上にあった譜面を見つめ、千歌もそれに気付く。
結局、海の家ではシャイ煮と堕天使の涙が売れ残ってしまうが、曜は父親から教わったという「船乗りカレーwithシャイ煮と堕天使の涙たち」を作り、その美味しさにみんなを驚かせる。
しかし、千歌は梨子のことを見ながら何か考え事をしており、曜はそんな千歌を心配して声をかける。
寝室でラブライブ!の歴史講義を行うと張り切るダイヤだったが、鞠莉はまぶたにシールを貼ってやり過ごそうとする。
騒ぐメンバーを美渡姉が目で威圧し、それに気づいた千歌はもう寝ることを提案する。
みんなが寝静まった後、千歌はもう一度梨子を起こして、学校で梨子のピアノを聴きたいとせがむ。
梨子は「海に還るもの」を演奏する。
千歌は梨子にピアノコンクールに出るように説得する。
千歌は梨子をスクールアイドルに誘った時のことを思い出していた。
「またピアノに前向きの取り組めたら」
梨子にとって町や学校や、Aqoursが大切だが、同じくらいピアノも大切なもののはずだ。
「その気持ちに、答えを出してあげて。」
みんなとここで待っていることを約束する千歌を抱きしめて梨子は呟き、ピアノコンクールに出ることを決める。
「ほんと、変な人…。大好きだよ。」
アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」【1期10話】の考察
①「変な人」
今までで3回、梨子は千歌のことを「変な人」と言った。
1回目は根拠もないのに安心させてくれる千歌を、2回目は打算がない千歌の純粋さを、3回目はみんなの個性を認め、受け入れる千歌だった。
4回目となる「変な人」はこれまでのものとは大きく違う。
千歌はピアノを聞いた後に「変だよね、めちゃくちゃだよね。」と言うが、もちろん千歌が言う「変」と梨子が言う「変」は違う。
千歌はスクールアイドルの方が大切だと言ってくれたことを嬉しく思い、一緒のステージに立ちたいという思いもある一方で、梨子自身が気づいていないピアノへの引っかかりを感じ取っていたのだ。
少なくとも梨子は本心でラブライブ!予備予選に出たいと言ったつもりだったのかも知れない。
しかし、例えば#9で果南と鞠莉が淡嶋神社で言い争っていた後、「逃げたわけじゃない、か。」と呟いていた。
その度、千歌にどうしたのか聞かれるも、なんでもないと誤魔化していた。
果南がスクールアイドルを辞めた理由を考えるのと同時に、スクールアイドルを辞めた本当の理由と自分がピアノを辞めた理由を重ね合わせていたからこそ、梨子にとって果南の辞めた理由を探ることは、自分のピアノを辞める理由を探すことになっていたのだろう。
しかし、梨子は自分自身でもそのことに気づいていなかった。
一方、千歌はそんな梨子の様子を敏感に感じ取っていた。
千歌はスクールアイドルとして輝きたいという願いをもつ一方で、梨子にとっての輝きとは何か、ということも知らず知らずのうちに考えていたのだろう。
梨子にとって、ピアノはこれまで多くの時間を割いて、子どもの頃から楽しかった思い出でもある。
千歌は梨子にそのピアノに対して中途半端なままでいてほしくないから、一度つまずいたピアノを乗り越えて、心から輝いてほしい、くすぶらないでほしいと願ったのだろう。
それが千歌のセリフに込められていた。
今回の「変な人」は、自分でも気づいていないことを教えてくれた、自分以上に自分のことをわかってくれている千歌のことを、最大級の感謝と愛を込めて「変な人」と言ったのだろう
② 曜
千歌は梨子の様子をきにかけているが、そんな千歌の様子をずっと気にかけているのが曜だ。
曜は千歌、果南とともにずっと幼馴染として過ごしてきた。
果南はダイヤと鞠莉ともう一度打ち解けたことで、そちらで楽しそうにしているが、千歌は梨子という新しい存在が現れ、その梨子はまだピアノへの思いを断ち切れずにいた。
千歌と曜はお互いに何も言わなくてもわかるほど近い存在になっているが、梨子は知り合ってまだ日が浅い。
挫折を味わい、環境も変わり、色々と戸惑う梨子を気遣う千歌だが、曜は何でも器用にこなし、色々と気がついてしまうが故に梨子のこと、#8で弱音を言ってもらえなかったことなど、自分が知っている千歌と見たことがない千歌のギャップに戸惑い、それが次回への布石となっている。
③ 経済感覚とは
キャラクターの初期設定とメディアによる設定はどれも異なっていることはもはや当たり前だが、あえて言いたい。
鞠莉は最初の自己紹介で「メンバー1のビジネス感覚を駆使して」と言っているが、果南がシャイ煮の値段を聞いた後に「これだから金持ちは…。」と呆れていた。
ホテルを経営する会社の令嬢であることは初期設定から決まっていたから、「メンバー1のビジネス感覚」はあくまで自称で、どのメディアでも世間との金銭感覚のズレは否めないのかもしれない。
アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」【1期10話】の感想
#9では言いたい本音を言えずにすれ違い、ぶつかり合った3年生だった。
しかし今回は梨子自身が気づいていない本音を引き出す千歌と梨子の心の交流が描かれた。
千歌にとって、「輝き」を追いかけることとラブライブ!に出て優勝することは同じではない。
目的は「輝き」を追いかけることで、そのための目標として、ラブライブ!に出て優勝して、0を1にしたいと願った。
もし千歌の目的がラブライブ!だったら、梨子にピアノコンクールに出るように言わなかっただろう。
高校生にして目的と目標を捉えているところは(自覚はしていないだろうが)、さすが9人組のリーダーとして相応しい。
「下っ端リーダー」と自己紹介で言っていたが、穂乃果とは違うが、確実に1つのリーダー像として成長をしてきている。