大人気アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の【第1期】【第11話】である
#11「友情ヨーソロー」
…の私なりの「考察」をまとめてみました。
内容を知らない方のために
「あらすじ」「ネタバレ」「感想」
も合わせて記載しています。
アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」【1期11話】のあらすじ
千歌の後押しを受け、自分にとって大切なものに答えを出すため、梨子はひとり東京のピアノコンクールへと向かう。
残った8人で、引き続き「ラブライブ!」予備予選へ向けた特訓に精を出す。
練習中、いなくなった梨子のポジションに代役として曜が抜擢され、千歌と合わせて躍るが、なかなか上手くいかない。
そして練習後、東京の梨子からの電話に、嬉しそうにはしゃぐ千歌を見て、曜は複雑な気持ちになってしまう。
そんな曜の心に気が付いた鞠莉は、鞠莉らしいやり方で曜の本音を引き出すのだったーー。
アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」【1期11話】のネタバレ
ここより下記はすべてネタバレ的な項目となるので、目を通す際にはご注意下さい。
新幹線で東京に向かう梨子を見送る8人。
次のステージはみんなで立とうと約束をした千歌は、改札で見送ったまま立ち尽くし、曜はそんな千歌を見て、千歌ちゃんと声をかけるしかできなかった。
部室に戻ると、8人はSaint Snowが北海道予備予選をトップ通過したことを知る。
Saint Snowの動画を見て自分たちも頑張ろうと、ダイヤが特訓と称するプール掃除をメンバーみんなですることになる。
曜はブラシ掃除にテンションが上がって水兵服を着てくるも、ダイヤに遊んでいる場合ではないと叱られるが、千歌と顔を見合わせて笑い合う。
綺麗になったプールでダンスのフォーメーションを確認することになるが、梨子がいないことに気付く。
梨子の代役として、曜が選ばれたのだった。
曜は千歌とステップを合わせるが、何回やってもうまくいかない。
千歌は梨子との感覚でステップを覚えていたのだ。
鞠莉は、千歌とステップを合わせることに苦戦している曜を見つめていた。
帰り道、コンビニの裏でステップの練習をする千歌と曜。
曜は、千歌に梨子と合わせていた時のステップをしてみるように提案する。
曜は、梨子と同じようにステップを踏むことで、千歌に合わせたのだ。
千歌が曜の器用さに驚き、喜んでいると電話が鳴った。
東京の梨子からだ。
ちょうど東京についたところだという。
千歌は嬉しそうに電話に出る。
そして、その場にいた1年生に替わろうとするが、みんななぜか緊張して替わろうとしない。
千歌は曜に替わろうとするが、曜は電話をもらって嬉しそうな顔を見せる千歌を見て、浮かない顔を見せる。
…と、千歌の携帯の電池が切れそうになってしまい、結局曜は梨子にも千歌にも何も話せなずにいた。
場面が変わって、ダイヤが溜めていた生徒会の仕事を果南と鞠莉が手伝おうとしていた。
そこで、以前千歌が持ってきた部活動申請書が出てくる。
最初は千歌と曜だったことに驚く鞠莉。
鞠莉は千歌と梨子だと思っていたが、今の様子から見ると、そう思うことも無理はないとダイヤと果南が話す。
曜は帰り道、これでよかったと自分に言い聞かせる。
その瞬間、鞠莉が後ろから曜の胸を鷲掴みにするも、驚いた曜は鞠莉を投げ飛ばしてしまう。
鞠莉は曜が千歌と上手くいっていないことに気付いていた。
曜はダンスなら大丈夫というが、鞠莉はダンスではなく、梨子に千歌を取られて嫉妬しているのだろう、千歌にも梨子にも言えない本音を聴こうとする。
曜は千歌と一緒に何かしたいと思っていたが、ずっとできずにいたことに引っかかりを覚えていた。
だからスクールアイドルを一緒にできて嬉しかったが、すぐに梨子や他のメンバーが入ったことで、自分と2人なのは嫌なのでないかと思ってしまっていた。
曜は要領がいいと思われている自分じゃやりにくいんじゃあと心配していた。
そんな曜に、鞠莉は自分の経験から、本音でぶつかるようにアドバイスをする。
曜は本音をぶつけることの難しさを感じながら部室に行くと、千歌が梨子からメンバーごとにシュシュをプレゼントされたことを嬉しそうに報告する。
梨子のことを嬉しそうに話す千歌を見て、やはり曜は梨子に嫉妬をもってしまう。
曜はどうしたらいいのか思い悩み、結局千歌に何も話せなかった。
千歌に自分と梨子とどっちが大切なのか問い詰めたり、自分のことを好きじゃないのと聞いてみたり、千歌ちゃんに向かって全速前進ヨーソローと言ったりするなど、様々な妄想を浮かべるが、どれも違う。
そんなとき、曜のもとに梨子から電話がかかってくる。
梨子はやりやすい形にしてほしい、無理に合わせずに曜らしい動きがあると話すが、曜は千歌のそばには梨子が合っていると涙ぐみながら梨子に話す。
梨子は前に千歌から聞いたことを曜に伝えると、曜は初めて千歌の思いを知る。
そのとき、千歌が曜の家まで来て、2人でステップを1から作ろうと訴える。
千歌は、曜の誘いをいつも断ってきていたことを気にしていた。
だからスクールアイドルは絶対に曜ちゃんとやりとげると梨子に話していた。
曜は思わず外に出ると、泣きながら自分のことをバカ曜だと言い、汗まみれの千歌に抱きつく。
汚れることも、風邪を引いてしまうかもしれないことも、恥ずかしいことも、泣いていることも、いいのといって千歌に抱きつく。
曜は吹っ切れた顔つきで梨子がくれたシュシュを身につけ、予備予選当日を迎えた。
梨子と曜は、千歌の「輝き」に気付いたのだった。
そしてAqoursは「想いよ ひとつになれ」を披露し、梨子は「海に還るもの」をコンクールで弾ききった。
違う場所にいても目指しているものは同じ。
梨子はピアノへの思いに答えを出し、曜は千歌と梨子への思いに答えを出したのだった。
アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」【1期11話】の考察
① 曜
最初にメンバーに加わり、1期では当番回の最後となった曜。
極端な話、言ってしまえば#11は全て曜が一人で空回りしていただけだったのだが、周りが見えていて、千歌のことをよく知っているからこそ、曜は空回りしてしまっていたのではないか。
物語全体を通じて、終始、曜からの視点で描かれることが多かった回。
今までは複数のキャラクターのそれぞれの思いが交錯し、関係が変わってきていたが、#11は千歌も梨子も変化していない。
ただ、10話分かけて千歌と梨子の関係が変わってきている。
曜は変わってきた千歌に戸惑いながら、前回までにも梨子のことを気にかけている描写が見られる。
今回、梨子の「代役」が曜に回ってきた。
千歌にとって、曜は梨子の「代役」。ダンスだけでなく、普段の関わりの中から、自分のポジションに梨子が入ったことで、千歌にとって自分はどんな存在なのか、考え込んでしまっていた。
ただ、ここで曜は「千歌にとって渡辺曜とは」ということをずっと考えていた。
妄想の中で「梨子ちゃんと私、どっちが大事!?」と壁ドンしていたが、梨子のことを悪く言う描写はない。
千歌のことは大事。
そして梨子のことも大事。
梨子のことも好きだから蹴落とすような真似はしないで、千歌は自分のことをどう思っているのか、気になったのだろう。
そして、梨子からの電話で梨子に本音を打ち明けることができた。
鞠莉が本音をぶつけるようにアドバイスしたこと、梨子の母性もあるが「千歌と梨子」ではなく「千歌と曜」という部分に曜の悩みの本質があったから、ある意味当事者でも合り、話しにくいはずの梨子には言えたのだろう。
その後、千歌は「二人のステップを作ろう」と言ってくれた。
これは曜は曜でしかなく、梨子の代役なんかではないという千歌の強い思いの表れだ。
結局、千歌に本音をぶつける代わりに抱きつくことしか曜にはできなかったが、千歌には本音なんかぶつける必要はなかったのだ。
梨子が教えてくれた千歌の思いがあれば、曜は十分だった。
汚れても、恥ずかしくても、曜は千歌のことが大好きだ。
そして千歌も曜のことが大好きなんだ、千歌が梨子のことを大好きなことと同じくらい、曜のことが大好きなんだ。
そこに順番なんてない。曜にとって、千歌のことも、梨子とのこともどちらも同じくらい好きなんだ。
そして梨子だって千歌のことも大好きだし、曜のことも同じくらい大好きだから、電話をしてくれた。
「バカ曜」というのは、自分がどう思われているかに捉われて、3人のお互いを思う気持ちにきづいていなかった自分のことを言ったのだ。
② 梨子と曜にとっての「千歌という存在」
挿入歌「想いよ ひとつになれ」の前に梨子と曜が語る。
「千歌ちゃんにとって、輝くということは、自分一人じゃなくて、誰かと手を取り合い、みんなで一緒に輝くことなんだよね。」
「私や曜ちゃんや、普通のみんなが集まって、一人じゃとても作れない大きな輝きをつくる。その輝きが、学校や聞いてる人に広がっていく。繋がっていく。」
曜は、自分と一緒にスクールアイドルをやりたいと言ってくれた千歌のことを、梨子は、4回に渡って「変な人」と言った千歌のことを言い表している。
Thank you,FRIENDS!の歌詞割で、千歌が梨子と曜を引っ張ったり、結びつけたりしたことがわかる。
曜は今回、千歌の中の自分という存在を確認する中で、梨子が自分にとってどれだけ大切な存在なのか、それはAqoursの作曲担当ということ以上に、自分のことを包み込んでくれる優しさ、自分では聞けなかった千歌の本音を教えてくれたところなど、かけがえのない存在になっていることに気づくことができた。
そして梨子も、曜が梨子のことも含めて悩んでいることを打ち明けてくれたから、千歌の本音を伝え、梨子自身の本音も伝えることができた。
3人とも、比べられる存在じゃない、それぞれがみんな大事な存在なんだということに気づけた。
もしも梨子が転校してこなかったら、Aqoursとしての活動以前に、曜と千歌は鞠莉と果南のようにすれ違いを起こしていただろう。
言わなくてもわかる、幼馴染として1番近い存在だからこそ、近すぎて見えないことも出てくる。
2人の語りは「輝き」の答えそのものにはなっていないものの、千歌によって2人がどう変わってきたのか、そして2人が考える「輝き」のヒントにもなっているように思える。
曜の家に千歌が行ったとき、千歌は「合わせるんじゃなくて、1から作り直した方がいい!」と言った。
千歌が曜と作り上げたいという意味で言ったセリフで、何気なく聞き過ごしてしまうが、「0」がキーワードとなっているラブライブ!サンシャイン‼︎で、「0から」ではなく「1から」と言ったのは、千歌と曜の関係が「0」ではないからだろう。
幼馴染としてずっと隣にいる存在で何でも知っている仲だった。
だから「0」から作り上げるのではなく、お互いを知っている1から、その先を作ろうという千歌の思いがあって「1から作り直した方がいい!」と言ったのだろう。
③ 梨子の出発に際して
梨子が新幹線に乗るためにホームまで見送りに行く8人。
一言ずつ応援の声をかける中、善子だけは声をかけなかった。
オフィシャルファンBOOKであいきゃんもこのことに触れている。
それぞれが思いを梨子に伝えるこの場面で、善子は何も言わずに微笑んで見送っている。
今まで本音を言える友達がいなかった善子だったが、Aqoursに加入したことで本音で話せ、信じることができる友達ができた。
ここは、善子が信じているからこそ伝わるはずだとあえて何も言わなかったのだろう。
アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」【1期11話】の感想
ニコ生であいきゃん、りきゃこ、杏ちゃんが言っていたように、曜の悩みは年頃の女の子あるあるだ。
サンシャイン‼︎は無印に比べて百合要素に焦点が当てられがちだし、その方向に妄想を膨らめることもその人の自由だろう。
ただ、覚えておきたいのは、本当の友達とは、どっちの方が大切と比べられるものではない、誰もが大切な存在だということ。
それは千歌たちのように純粋だからできたのではなく、むしろ千歌たちのように純粋さを思い出し、悩んだり、本音をぶつけたりして友達をつくる中で、自分自身のことも大切に思える心をもつことが大切だ。