大人気アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の【第1期】【第2話】である
#2「転校生をつかまえろ!」
…の私なりの「考察」をまとめてみました。
内容を知らない方のために
「あらすじ」「ネタバレ」「感想」
も合わせて記載しています。
アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」【1期2話】のあらすじ
作曲をできる人を探していたところに、昨日知り合った梨子が転校生としてやってきた。
奇跡を感じた千歌は、梨子をスクールアイドルに何度も誘うがその度に断られてしまう。
海の音を聴けずにいた梨子に、海の音を聴きに行こうと提案する。
千歌・梨子・曜は、海の中で太陽の輝きを見ることで海の音を聞き、絆を深める。
アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」【1期2話】のネタバレ
ここより下記はすべてネタバレ的な項目となるので、目を通す際にはご注意下さい。
ピアノを前に表情を暗くする梨子。
そんなことはつゆ知らず、転校してきた梨子を何度も誘うもあえなく撃沈する千歌。
曜は制服好きを生かして、衣装を考えるも職業系の制服や、軍隊モノ。
最後に見せた衣装は千歌も気にいるが、提出した部活動申請書をダイヤにまたもや断られてしまう。
頑なにスクールアイドルを否定するダイヤだったが、伝説のスクールアイドル「μ’s」のカルトクイズを千歌に出す。
答えられない千歌にμ’sの凄さを熱く語るダイヤの声を誤って放送で全校に流してしまう。
その一方で、帰りのバスでダイヤの妹ルビィからダイヤがなぜかスクールアイドルを嫌っていることを聞く。
家の前で梨子を見かけた千歌は、海の音を聴けたのか心配して声をかける。
悩む梨子に今度の日曜に海の音を聴きに行こうと誘う。
梨子はピアノでスランプに陥っていること、海の音を聴ければ何かが変わることを期待していることを千歌に話す。
きっと変わると言って梨子の手を握る千歌を、梨子は「変な人」という。
スクールアイドルをしている暇はないからと手を離そうとする梨子の手を握ってスクールアイドル関係なしに海の音を聴きに行こうと誘う。
梨子は自分のことを本気で考えてくれる千歌に驚きつつ、「本当、変な人」と言う。
翌日に、千歌・梨子・曜の3人は果南の家のダイビングショップで海の音を聴きに行くことに。
海の中では音は届きにくいため、見えているものからイメージすることを果南から聞くも、暗い海の中ではイメージが湧かないという。
景色が真っ暗ということを聞いて閃く千歌だったが、暗い海の中ではピアノを前に手が震えて引けなくなってしまったことを思い出してしまう梨子。
そんなとき、海の中に太陽の日差しが降り注ぎ、思わず手を伸ばす梨子。
海の音を聴けた気がすると3人が喜ぶ様子を見て、嬉しそうに微笑む果南の姿が船にあった。
曲作りは手伝うことを約束した梨子とともに、千歌の自宅である旅館「十千万」で作詞を始める千歌と曜だったが、作詞は難航する。
μ’sのスノハレみたいな曲を作りたいと意気込む千歌だが、恋愛経験がないのに恋の歌は書けないと梨子に言われる。
「千歌はスクールアイドルに恋をしている」ことに気づいた梨子と曜は、千歌にスクールアイドルの好きなところを歌詞にしたらどうかと提案する。
好きなことに目を輝かせる千歌を見ながら、梨子はピアノが大好きだった幼い頃を思い出す。
参考にμ’sの「ユメノトビラ」の歌詞を差し出してスクールアイドルが大好きだよという千歌。
その晩、梨子は千歌の言葉を思い出しながらμ’sのユメノトビラをピアノで弾き語ると、偶然ベランダ隣にある部屋から千歌がそれ聴いていた。
何をしても楽しくないと告白する梨子に、スクールアイドルをやって笑顔になれたらまた弾けばいいと梨子の力になりたいという千歌。
本気でやろうと思っている千歌に失礼だからと断りかける梨子だったが、ベランダから手を伸ばす千歌に、自らも手を伸ばして応えようとする。
やっぱり届かないと諦めようとする梨子のためにさらに身を乗り出す千歌。
それに心を打たれた梨子もさらに手を伸ばして指先が触れ合い、思いを通じ合わせた2人だった。
アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」【1期2話】の考察
(1)桜内梨子
冒頭で、梨子はコンクールでピアノを弾けなかったことを思い出している。
暗い部屋で独り悩むが、学校に行くと千歌が熱心に誘ってくれる。
海辺で親しげに話しかける千歌は「桜内さん」と言うが、梨子のために話をする中で「梨子ちゃん」と呼び方が変わる。
梨子はまだ「あなた」「高海さん」と呼ぶところに、2人の距離感の違いが分かる。
千歌は下の名前で呼ぶことで梨子に寄り添おうとしている。
それに対して、梨子は距離を置いて、誘いを断ろうとしている。
最後のベランダのシーンでも最初は「高海さん」だった。
しかし、梨子は自分のために必死に手を伸ばす千歌を見て、思わず「千歌ちゃん」と叫ぶ。
千歌はここで梨子に対して見返りを求めていない。
これはオフィシャルBOOKの95ページで酒井和男監督が語るAqoursの魅力である。
「千歌たちは、理由も求めないし、見返りも求めないし、やりたいからやる‼︎できない理由をさがさない……というか、自らに枷を作らないところ」
と語っている。
分かりやすく千歌の魅力が表現されたところであり、だからこそ梨子はその魅力に惹かれて手を伸ばしたのだろう。
梨子も、方向は違っても千歌同様「輝きたい」と強く願っていたのだ。
千歌が大好きなスクールアイドルを思って、作詞に楽しそうに取り組む。
そんな千歌を見た梨子は、ピアノが大好きだった幼い頃を思い出す。
「ピアノ弾いてると空飛んでいるみたいなの。自分がキラキラになるの。お星様みたいに。」
「輝きたい!」と願う千歌のその姿が、梨子には輝いて見えたから、梨子自身の輝いていた幼い頃を思い出させたのだろう。
少し話が前後するが、海辺で海の音を聴きに行こうと誘った際の手のつなぎ方にも、2人の心の近づき方が描かれている。
ピアノを弾くように手を伸ばす梨子の手を取る千歌。
その手を離そうとする梨子。
更にその手を強く握って語る千歌。
そして梨子が握り返すことで千歌への信頼を語る梨子。
このときに千歌のことを「変な人」と言うが、明らかに意味合いが違っている。
1度目は「変わるよ、きっと」と根拠もなく、でもどこか自信をもって、安心させてくれる千歌。
そして2度目は「海の音だけ聴きに行こうよ、スクールアイドル関係なしに。」と言ってくれる千歌。
ピアノにとらわれていた梨子にとって、打算がない、心から梨子の力になりたいと願う千歌の純粋さが心を打つものになったはずだ。
そして手だけではなく、梨子の表情や目に千歌に対する思いの変化を見ることができる。
また、梨子は1stシングルなどの自己紹介で自分を「地味」と言っている。
しかし、実際は地味というよりも「誠実」という方が彼女の性格に合っている。
梨子は「本気でやろうとしている高海さんに、そんなの失礼だよ。」と言っている。
本気でやっている人たちの中で、軽い気持ちではできない。
知らない世界のことでも、本気の人をリスペクトする姿勢が見える。
そしてそれを自身のピアノにも求めていることで、スランプに陥っていたのだろう。
もともと積極的に前に出る性格ではないことと、どんなことにも誠実、真面目に取り組むのを謙遜して「地味」と言っていたと考えるのが妥当だろう。
(2)衣装
梨子以外の部分では、曜の最初に提案した衣装が、実は3rdシングル「HAPPY PARTY TRAIN」の衣装と似ている。
アニメ放送当初はただの制服好きからきたものと思われていただけに、見返してびっくりという視聴者も多かっただろう。
ただ、畑先生は「3rdシングルは第1期を経て作詞をした」とオフィシャルBOOK2の86ページで語っている。
「精神的な別れや成長」というテーマを貰ったところで電車で旅に出る、という発想につながったのかもしれない。
(3)黒澤ダイヤの設定の変化
今回、初期設定から大きくイメージが変わったことが判明したのがダイヤだ。
元々はスクールアイドルに興味がなかったのに、μ’sカルトクイズで「スキップしていたメンバー」を問うあたり、相当なモノだ。
多くの視聴者がかなりのカタブツというイメージをもっていたはず。
そんな中、#1でもテーブルに手を強くぶつけて痛がっていた。
オッチョコチョイな女の子としても一面を時折のぞかせるギャップが、ダイヤ推しにはたまらないところだろう。
(4)学年間の比較
2年生組が海の音を聴きに行っている際、果南は最初は心配そうな表情だったが、喜ぶ3人を見て静かに微笑んでいた。
OFFICIAL FAN BOOK2の24,25ページで酒井和男監督が
「1年生の関係性がちょっと進んだのが2年生、2年生の関係がちょっと進んだのが3年生」
「みんなちょっとずつ先の未来をいきている。」
と話している。
もしかしたら果南はダイヤや鞠莉とのことを懐かしく思いながら、2年生たちに自分たちのことを重ねていたのかもしれない。
(5)「輝き」と楽曲
歌詞をほしいと言われた千歌は教室や鞄の中を探していた。
「輝き」を追い求める千歌。
「輝き」を表現するための歌詞を、生活している教室や、自分の持ち物である鞄の中に求めている。
探している輝きが身近にあることを暗示しているようだ。
また、千歌が参考として梨子に差し出した「ユメノトビラ」の歌詞は、正に2人の出会いの意味を語っている。
「ユメノトビラ 誰もが探してるよ 出会いの意味を見つけたいと願っている」
「キボウノユクエ きっと追い続けたら 君と僕にもトビラ現れるよ」
千歌の好きな曲として挙げさせているスタッフ。
μ’sの名曲は数多くあるが、ここでユメノトビラを使うところがニクい。
(6)青空Jumping Heart
#2からOP曲が披露された。
タイトルは「青空Jumping Heart」。
かなりのアップテンポにシンセやエレキギターなどを織り込み、Aqoursの代表曲の1つとなっている。(光増サウンド全開!)
歌詞はとにかく前向きで、新しい世界へと飛び立とうとしている様子を歌っている。
アニメ映像のサビ前では、千歌が「輝き」で影になっている人影に向かって走っていく。
千歌の髪が絶妙に揺れることで、はっきり人数を確認することはできないが、おそらく9人だろう。
この9人が一体誰なのか?
これはアニメをどこまで見たかで解釈の仕方が変わってくる。
最初は千歌がこの人影に向かって走っていることから、千歌の憧れであるμ’sと見ることができる。
しかし、物語が進むと同じ映像でもこの人影はμ’s以外に見える視点が出てくる。
第1期#12を終えるとこの9人は未来のAqoursにも見える。
そして第2期#13(つまりアニメ版最終回)で、走っていく千歌と、千歌を待つ8人たちが重なるように描かれている。
(7)余談
最初に食堂で千歌に誘われたときに缶に入ったおしるこらしきもの(缶に「あずき」と書かれている)を飲んでいた。
缶入りのおしることいえば、無印で絢瀬絵里の妹、亜里沙が第1期#7で買ってきたことが思い出される。
梨子と亜里沙に直接の関係はないが、制作スタッフの遊び心がわかる。
また、μ’sの読み方を「ユーズ」と言ってしまった後の「おだまらっしゃーい!」は、実はありしゃではなく、杏ちゃんがダイヤの声真似をしている。
よく聞くと最後の「~あい!」の辺りは杏ちゃんらしさが出ているが、出だしから伸ばすところまでかなり似ている。
アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」【1期2話】の感想
μ’sに憧れる千歌やキャラクターはそのまま無印を追いかけ、越えようとするスタッフの姿勢に思える。
もちろん、「μ’s」という名前や曲が出てくるだけで、無印からのファンにとっては嬉しいこと。
そこにどんな意味を見出すのか、自分なりに解釈することで、さらにAqoursの物語が面白くなるはずだ。